産 地
京都府与謝郡加悦町、中郡峰山町ほか
特 徴
生糸を経糸に、強撚糸を緯糸に用いて平織し、そのあと精練してしぼを出した高級絹織物。
一越縮緬、二越縮緬、古代縮緬、鬼しぼ縮緬、縫い取り縮緬、紋意匠縮緬、絽縮緬など多くの種類が織られている。しぼ立ちの大小などにより名称が変化する。
用 途
染下生地。
変 遷
丹後縮緬の歴史は二百五十年、丹後地方の織物の歴史は千二百年ほどである。それ以前の大和朝廷の頃に、中国大陸から渡来した人々がこの地に住み、織物をつくり始めたのが丹後地方の織物の始まりだとする説もある。また、この地方は室町時代(一五七三~一五九二)には精好織で知られていた。
縮緬の技法は天正年間(一七一六~一七三六)に中国から堺に渡来し、西陣に伝えられた。
丹後地方の縮緬織の始まりは、江戸時代の享保年間(一七一六~一七三六)である。峰山の絹屋左平治、加悦谷の小右衛門、三河村の佐兵衛の三人がそれぞれ西陣から縮緬の技術をもち帰り、縮緬織が広まったのである。
気候が縮緬織に適していたことから、その後丹後地方は、日本一の縮緬産地に発展した。