産 地
滋賀県長浜市
特 徴
絹糸の使用量が多い織物で、とくに一越縮緬は最高級品である。
浜縮緬とは、長浜縮緬を略した名称である。
用 途
染下生地。
変 遷
長浜地方では、奈良時代の和銅五(七一二)年にすでに上質の綾絹が織られていたという記録がある。
長浜縮緬が生産されるようになったのは江戸時代の宝暦年間(一七五一~一七六四)で、中村林助、乾庄九郎の努力によって丹後の縮緬技術が導入され、長浜縮緬が完成した。その後、彦根藩の保護のもとに発展し、安政年間(一八五四~一八六〇)には、さまざまな縮緬が織りだされ、生産量も増加した。
明治四年の廃藩置県により一時衰退したが、その後の縮緬の流行や大正初期の力織機の導入などにより盛り返した。
高級染下生地の産地として、また丹後とならぶ縮緬の二大産地として現在に至っている。