染と織地域別辞典

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掛川葛布(かけがわくずふ)

産 地

静岡県掛川市

特 徴

葛の蔓からとった繊維で織った布。「かっぷ」とも呼ばれる。
繊維としてはもっとも古いものである。

用 途

現在は蚊帳、合羽地、襖地、壁布などに多く用いられている。かつては袴地、裃地にも使われていた。

掛川葛布(かけがわくずふ)

変 遷

延喜年間(九〇一~九二三)の頃、朝廷で「けまり」をする際の奴袴として用いられていた。
鎌倉時代から江戸時代にかけては葛袴と呼ばれて夏袴地として用いられていた。無地、縞物、紺染、茶染があった。

染色法

*五月ごろに葛蔓を刈りとる。
*繊維をとり出し灰汁で十分に煮てから水で晒す。
*経糸には綿糸、大麻糸、絹糸を用い、高機で織る。