産 地
石川県小松市
特 徴
なめらかで光沢がある絹織物。
繻子織の変化組織で、糸の組み合わせ方によりさまざまな紋様を織りだすことができる。
用 途
着尺地、羽尺地、帯地。
変 遷
この地域は古くから絹の名産地として知られ、聖武天皇(在位七二四~七四九)の頃に「加賀絹」という平絹が朝廷に納められた記録がある。また、室町時代には将軍家に献上され、加賀絹の名は高まった。
江戸時代には、藩主・前田利常の保護のもとで、絹や羽二重の生産がさかんになった。また、利常により寛永一四(一六三七)年に設けられた絹造会所が、製品の品質の検査、向上にあたった。
明治時代にはドビー機、バッタン機、ジャガード機が導入され、紋八端、紋平絹、紋羽二重などさまざまな紋織物が生産された。
綸子が初めて織りだされたのは大正年間で、以後、綸子の一大産地となっている。