染と織地域別辞典

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郡上紬(ぐじょうつむぎ)

産 地

岐阜県郡上郡八幡町

特 徴

手紡ぎ、植物染、手織による紬織物。初めの頃は野蚕の一種であるインド産のエリ蚕の糸を用いて織っていたが、現在では玉繭の原糸がほとんどである。
柄はおもに縞、格子、絣だが、斬新な幾何模様のものもある。
絹とウールの特徴を合わせもったような風合いがあり、丈夫でしわになりにくく、あたたかい。

用 途

着尺地。

変 遷

この地方は、千年以上昔から良質の絹糸の産地であり、曾代絹と呼ばれるこの地方の絹糸は、伊勢神宮の神職の装束を織る糸と定められていた。その後、平氏の落人がこの地に落ちのびて、野蚕糸を紡ぎ植物で糸染をして織ったところから、郡上織が始まった。
その郡上織をもとに、宗広力三氏の主宰する「郡上織工芸研究所」で昭和二二年から織りだされたのが、現在の郡上紬である。
近年ではエリ蚕糸に代わって、春蚕の繭玉が用いられている。

郡上紬(ぐじょうつむぎ)画像01 郡上紬(ぐじょうつむぎ)画像02