染と織地域別辞典

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多摩結城(たまゆうき)

産 地

東京都八王子市、秋川市

特 徴

八王子で生産される紋お召し。
高いしぼ立ちに独特の風合いのある渋さと豪華さをもった高級絹織物。

用 途

女物着尺地。

多摩結城(たまゆうき)

変 遷

八王子の織物の歴史は古く、およそ三百五十年前の文献に八王子市の織物として滝山紬、横山紬、紬島の名が見られる。また、江戸時代後期には、関東屈指の織物産地として発展した。
当初、八王子の織物はすべて男物だったが、大正時代に男の外出着として洋服が普及し和服の需要が減ったため、女物着尺地の開発に努め、昭和元年には全国で初めてジャガードの紋職機による絹セルお召しがつくられた。多摩結城の開発に成功したのは昭和四年で、これにより女物着尺地中心の織物産業地となり、現在に至っている。
昭和三十年代にウールと絹の交織ウールお召しがブームとなったが、近年は、正絹お召しとしての多摩結城が見直されている。