産 地
沖縄県八重山郡竹富町
特 徴
幅およそ八・五センチ、長さ約二三〇センチの細帯(ミンサー)で、真田紐に似た経畝織の木綿織物。藍染の紺地の両耳にはムカデ模様と呼ばれる段々縞が織りだされ、その中に五つ玉と四つ玉の絣が交互に織り込まれている。
用 途
腰帯、ネクタイ地など。
変 遷
起源は明らかではないが、このミンサーには、八重山地方に遅くまで残っていた通い婚にまつわる逸話がある。
通い婚が行われていた当時、女性は相手の男性に「いつ世までも(五つ四つの絣文)」との愛情を込めてこの細帯を贈ったという。また、細帯にほどこされた二本の縦筋には「道を踏みはずして浮気などすることなく」という意味が、ムカデ模様といわれる帯の両耳についた横段縞には「足繁く通ってほしい」という願いが込められているという。
現在は、藍染のミンサー(細帯)ばかりでなく、多彩な帯やテーブルセンター、袋物などもつくられている。
染色法
竹富みんさーの中でも小浜島で織られているものを、その染料から、とくに「木藍染ミンサー」という。木藍はかつて小浜島に群生していたインド藍とも呼ばれる植物である。現在は栽培したインド藍で染められる。木藍染の工程は次の通り。
*石灰を多く含んだ水と木藍の葉だけを藍瓶に入れる。
*四、五日で発酵するので、発酵したら上ずみをとる。藍瓶の中に沈殿した藍は、別の瓶に移す。
*この沈殿藍をさらに発酵させ、その中に糸を浸して染色する。