産 地
奈良県奈良市
特 徴
麻の白生地(生平)を天日で晒し、自然漂白をする。
用 途
着尺地、帯地、肌着、寺社用衣料、茶巾、暖簾など。
変 遷
昔、晒布のことを曝布といった。曝布の歴史は古く、奈良時代にはすでにあったという。
奈良地方で奈良曝が生産されるようになったのは江戸時代初期の慶長年間(一五九六~一六一五)のことである。寛永年間(一六二四~一六四四)の頃から、幕府の御用晒として、また礼服として需要が伸びた。
奈良晒の原料は苧麻だが、青苧は会津、越後から、生平は近江、伊賀から買って、奈良で晒して奈良晒として諸国に送った。
現在では、糸は苧麻の手紡ぎ糸からラミー糸に変わり、生産量も少なくなっている。