産 地
山形県長井市、米沢市、西置賜郡
特 徴
絣紬が中心で、絣模様は大柄のものが多い。八丁撚糸を用いた独特の糸づかいと独自の風合いが特徴。
品質や柄が琉球産の絣紬に似ているため「米琉(米沢琉球紬の略称)」とも称される。
用 途
着尺地、羽尺地。
変 遷
古くから織物のさかんな土地だったが、養蚕の輸入とともに、それまでの苧麻に変わり紬を織るようになった。
飛躍的な発達を遂げたのは上杉鷹山公(一七五一~一八二二)の頃で、上杉公は、下級武士の家内職として織物を奨励するとともに、京都、小千谷から織の技術者を、仙台から藍作師を招いて長井紬の改良に力をそそぎ、また、江戸、京都、大阪までの販路を確立した。
当時は「置賜紬」と称された。
琉球調の米琉がさかんに織られるようになったのは、江戸末期である。「米琉」の名は、その販売上、商人が明治八年頃につけたものといわれるが、定かではない。明治に入ってから「長井紬」と名称を変更した。
明治から大正にかけて好評を博した大島紬の影響をうけ、一時、鳶茶色系の大島調小絣が主流になったが、現在では、紺絣や白絣など多様化している。
染色法 経緯糸とも板締絣加工をし、植物染料のカッチやログウッドで浸染する。