染と織地域別辞典

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結城紬(ゆうきつむぎ)

産 地

茨城県結城市

特 徴

紬着尺地の最高峰で、国の重要無形文化財の指定をうけている。
真綿から手で紡いだ糸を絣柄になるように手くくりで染め、居座機で織った絹織物。こまかい十字絣で模様を表す。
着てあたたかく軽いうえに、丈夫でしわになりにくい。洗い張りをするたびに光沢を増すが、変色や脱色をすることがない。
「結城紬は寝間着で着てから外出するとよい」といわれるほどの紬の一級品。一反織るのに、無地物でも十日から十五日、こまかい絣柄だと一か月から一か月半かかるといわれている。

用 途

着尺地。

変 遷

平安時代には常陸(紬、太く粗い糸で織った織物の意味)、鎌倉時代には常陸紬として全国に知られていた。その後、幕府への献上品となり、慶長七(一六〇二)年、結城の地名をとって結城紬と改めた。また、信州上田から招いた職工から柳条の織法を得て、品質の改善に努めた。結城紬の生産は、江戸中期には農家の副業として定着した。
種類は初めは無地物と縞物だけだったが、慶応二(一八六六)年に縞絣が、明治六年には経緯紬が、そして大正初期には縮織りの紬が考案された。
*「筑波ねの 新桑まよの 衣あれど 君がみけしし あやに着ほしも」
~万葉集東歌

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