染と織地域別辞典

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保多織(ほたおり)

産 地

香川県高松市

特 徴

表面に凹凸のある、独特な風合いの木綿織物。
通気性、吸湿性がよく、肌触りがさらっとしている。浴衣地によい。

用 途

着尺地、手拭い、暖簾、風呂敷、シーツなど。

保多織(ほたおり)

変 遷

保多織は、元禄五(一六九二)年に高松藩のお抱え織物師・北川伊兵衛常吉により考案された。常吉は高松藩主・松平頼重に、他藩産のもの以上の織物を創出せよという命をうけ、緯糸を浮かびあがらせた縮織に似た絹織物を完成、これが讃岐保多織となった。保多織は、その後、高松藩の幕府への献上品となり、その製法は一子相伝の秘法とされた。
明治維新後、伊兵衛常吉の子孫、北川勇次郎は製法を公開。さらに、原料を絹糸から綿糸に変えて、綿保多織を完成した。
第二次大戦中は物資統制令により生産を禁じられたが、昭和二六年頃には復活した。
現在では、わずか二機業場が、その伝統を守りながら織っている。